事例報告 50代女性 出版業 手術前の不安

ある手術を控え、体にメスを入れなければならないことに強い不安を感じておられたクライアントの方。 そのことを考えるだけでも体がこわばり、肩こりなどの緊張症状がいつもより強く出ていました。

当所では、心理的ストレスを和らげるために「マトリックス・リインプリンティング」というセラピーを行っており、今回はそのセッションを提案・ご了承の上で実施しました。

セッションを進めていく中で、クライアントの方は小学生の頃の出来事を思い出されました。 クラスメイトが盲腸の手術を受けることになり、それをからかうようないじめが起きたこと。 自分自身も盲腸の手術を受けた経験があり、「次はいじめられるのは自分かもしれない」という不安を感じながら、本当はその子を助けたいのにできなかった――そんな無力感や罪悪感の記憶が浮かび上がってきました。

その時に感じた感情に焦点を当て、心の中で癒していくワークを行いました。 セッション後、ご本人は「自分でも忘れていた記憶が出てきて驚いた」と話されていましたが、手術に対する不安の度合いをセッション前と比較すると、明らかに軽くなっていることを実感されていました。

後日、「あの時心配していたほどの不安はなく、落ち着いて手術に臨めた」とご報告をいただき、少しでもお力になれたことを嬉しく思いました。

ときに私たちは、「なぜこんなに不安なのか、自分でもわからない」と感じることがあります。 その背景には、普段意識に上らない“潜在意識”に刻まれた過去の感情が関係していることも少なくありません。 そして、そうした潜在的な緊張は、心だけでなく身体にも深く影響しています。 内面の緊張が解放されること――それは、心身の健康を取り戻すうえで多くの人にとってとても大切なプロセスなのだと、改めて感じさせていただいたケースでした。