アニメやゲームのキャラクター、吹き替えなどで活躍されているプロの声優の方でした。 長い収録になると、前半は問題ないものの、後半になるにつれて声が思うように出なくなるというお悩みで来所されました。
声優さんの場合、地声ではなくキャラクターに合わせた声を出すため、通常の発声よりも精密な声帯のコントロールが求められます。 身体のチェックでは、まず声帯膜に関係する頚部(首の前側とその奥)に着目しました。 彼女の頭と首のつなぎ目の部分には強い緊張があり、中学生のときに跳び箱の着地に失敗して頭から落ち、首を痛めた経験があるとのことでした。その古い外傷が影響していた可能性があります。
また、声帯膜の機能を診る上で大切なのは、横隔膜や骨盤底筋群との連動です。これらの部位にも慢性的な緊張がみられ、呼吸や声の安定性に影響していました。 施術では全身的なバランスを整えながら、頚部の緊張をゆるめていきました。その結果、姿勢が改善し、同時に「声が出にくい」という症状も徐々に緩和されていきました。
プロの声優という仕事柄、発声の質は仕事の成果に直結します。その切実な思いを支えに、ご本人もセルフケアに熱心に取り組まれ、それが回復を大きく後押ししたと思います。
