事例報告 40代男性 サービス業 寝つきがよくない

夜になり眠る前には、自律神経のうち交感神経の働きが沈静し、副交感神経が優位になります。寝付けないときによくあるのが、なんらかの理由で交感神経が興奮し、頭が冴えてしまうというものです。

しかし、それ以外にも夏場の暑さで寝付けないことがあります。体にはホメオスタシスという機能があり、体温を一定に保つよう働いています。夏場は体が熱を外に逃がして体温を下げようとしますが、それがうまくいかないと熱がこもり、寝付きにくくなることがあります。クーラーをつけていても、深部体温が十分に下がらないと同様のことが起きます。

そういったときには、頭が冴えているというわけではないのに、体が落ち着かず、寝床の中で体勢を何度変えてもなかなか安定しないという状態になります。クライアントの方もまさにそのような状態で、体温調節を担う神経系に負担がかかっていました。 体熱が発散しやすくなるような施術を行い、寝つきの問題は解消されました。

体温調節や発汗を司る中枢は視床下部にあり、汗の出やすさや体の熱のこもりやすさと深く関係していますが、背骨や体全体の状態にもポイントはあります。

オフィスワークなどで汗をかく機会が少ない方は、徐々に発汗機能が低下し、結果として体温調節能力も落ちてきます。最近のサウナブームで言われる“整う”という感覚も、体が本能的に求めている調整作用の表れなのかもしれませんね。

事例報告 40代男性 農業 ビワの木から落ちた

房総エリアはビワの特産地で、6月になると道の駅などに大きなビワがたくさん並びます。びわ農家さんも多く、収穫期には脚立を使って高い場所の実を取る作業があります。

クライアントの方は、脚立からビワの木に片足を掛けた際、木が折れてしまい、約2メートルの高さから地面に落下。腰を強打されました。幸い骨折はしておらず、整形外科で湿布をもらいましたが、その後も痛みが引かず、ご来所くださいました。

このようなケースでは、一般的な腰痛の調整ではなく、「打撲調整」と呼ばれる施術を行います。身体を強く打つと、打った部位だけでなく、その衝撃が全身に波及し、筋膜や骨格のバランスにも影響を与えることがあります。

施術では、打撲部位の回復を促すだけでなく、衝撃の反作用で歪みが生じた反対側の組織も整えていきます。今回は、受傷後早めに施術できたことも功を奏し、強い打撲でしたが2回の施術でほぼ改善しました。

農家さんならではのご厚意で、後日ビワや野菜をたくさんいただき、とてもありがたく感じました。

事例報告 10代男性 学生(卓球選手)肩甲骨周辺の痛み

中学時代から卓球を熱心に続けているクライアントの方。 長時間の練習のあとに背中の痛みが出るようになり、その痛みが出ると、卓球の調子にも影響してしまうので何とかしたい、ということで来所されました。  

身体をチェックすると、関節がややゆるい体質で、そのため一部の筋肉や関節に余計な負担がかかりやすい状態でした。肩甲骨周辺に痛みが出る場合、手首や肘関節の緩みが影響していることもあります。  

練習スケジュールが忙しく、頻繁に施術に来ることが難しいため、セルフケアを中心にアドバイスを行いました。緊張した筋肉を緩めるだけでなく、原因となっている関節をしっかりと引き締め、安定させる方法をお伝えしました。また、体の軸を整え、体幹を安定させるケア法も併せて実践していただきました。  

彼は非常に真面目で、卓球だけでなく勉強にも熱心に取り組んでおり、そのため頭の疲労も強く、頭痛や睡眠の浅さもみられました。 そこで、頭蓋骨の調整や、睡眠を深くするためのケア法もお伝えしました。  

中学では市の大会で優勝し、卓球の強豪校に進学。高校でも1年生ながら県代表に選ばれるなど、素晴らしい活躍を見せています。

事例報告 40代女性 飲食業 フルマラソンを完走したい

彼女は、ある競技で世界大会にも出場した経験のある元アスリートの方でした。 ただ、ここ数年はほとんど運動をしていなかったそうです。 ご夫婦でフルマラソン完走に挑戦することになり、数キロのジョギングを中心に練習を重ねていました。

ところが、大会の1週間ほど前の練習中に左膝の痛みが出はじめ、 「このままでは完走できないかもしれない」と不安になり、来所されました。

身体をチェックすると、左膝に弾力がなく、体重の衝撃をそのまま受けやすい状態になっていました。 本来、膝には“サスペンション”のように荷重を分散・吸収する役割があります。

施術の途中で、過去に怪我をされたことがあるか尋ねると、当初はご本人も思い出せなかったのですが、昔、原付の事故で左膝を強く打ったことがあったと気づかれました。その古傷の影響が、今回の痛みにつながっていたようです。  

膝の弾力を回復させる施術を行い、マラソン当日までご自宅で行えるセルフケアもお伝えしました。 大会後、知人を通じて「無事に完走できました!先生に感謝を伝えてください」との嬉しい言葉をいただき、私も心から嬉しく思いました。

膝の痛みが出ずに完走できたのは施術の効果もありますが、彼女が元アスリートとして培ってきた身体の軸の強さと、基礎的な体力の高さも大きく関係していたと思います。

事例報告 20代女性 声優業 声が出にくい

アニメやゲームのキャラクター、吹き替えなどで活躍されているプロの声優の方でした。 長い収録になると、前半は問題ないものの、後半になるにつれて声が思うように出なくなるというお悩みで来所されました。  

声優さんの場合、地声ではなくキャラクターに合わせた声を出すため、通常の発声よりも精密な声帯のコントロールが求められます。 身体のチェックでは、まず声帯膜に関係する頚部(首の前側とその奥)に着目しました。 彼女の頭と首のつなぎ目の部分には強い緊張があり、中学生のときに跳び箱の着地に失敗して頭から落ち、首を痛めた経験があるとのことでした。その古い外傷が影響していた可能性があります。 

また、声帯膜の機能を診る上で大切なのは、横隔膜や骨盤底筋群との連動です。これらの部位にも慢性的な緊張がみられ、呼吸や声の安定性に影響していました。 施術では全身的なバランスを整えながら、頚部の緊張をゆるめていきました。その結果、姿勢が改善し、同時に「声が出にくい」という症状も徐々に緩和されていきました。 

プロの声優という仕事柄、発声の質は仕事の成果に直結します。その切実な思いを支えに、ご本人もセルフケアに熱心に取り組まれ、それが回復を大きく後押ししたと思います。  

事例報告 50代女性 会社役員 肘の痛み

クライアントの方は会社役員として多忙な日々を送っておられます。 ある時から右肘に痛みが出はじめ、仕事中だけでなく、ドアノブを回したり、ちょっとした物を持つだけでも痛みが走るようになり、なんとか軽減したいということでご来所されました。  

お話を伺うと、毎日のように長時間パソコン作業をされており、眼や神経系だけでなく、手や腕にも疲労が蓄積している状態でした。 キーボード操作やマウスの使用といった動作も、積み重なることで局所的な負担が生じやすくなります。  

右肘の状態を確認すると、関節がグラグラと不安定で、曲げ伸ばしの動作で痛みが出ていました。 これは機械でいえば「ネジがゆるんだ状態」に近く、部品同士のつながりが不安定になることで、周囲の筋肉に過剰な負荷がかかり続けてしまうのです。 さらに全身のバランスをみると、骨盤の右側にも緩みがありました。 身体はひとつのつながりの中で働いているため、土台である骨盤がゆるむと、その上にある関節、特に同じ側の肘や手首などにも同様の傾向が現れやすくなります。  

施術では、骨盤を含め、肘・手首・後頭骨までを全体的に整えました。 長期間にわたり負担が続いていたため、改善までには10回ほどの施術を要しましたが、セルフケアや体の使い方のアドバイスも取り入れていただき、今では日常生活に支障のない状態にまで回復されています。  

パソコン作業が長い方は、マウス操作による肘の内旋ストレスが痛みの一因になることも多く見られます。 一般的なマウスでは前腕を内側にひねった姿勢が続きやすく、肘の内旋筋に緊張がたまってしまいます。

こうした場合、前腕を自然な角度で保てるよう設計された「エルゴノミクス(人間工学)マウス」を試してみるのも一つの方法です。

デスクワークが続く方にとって、体のどこかに無駄な力が入ってないかなど、日常の姿勢や体の使い方を見直すことは、症状の改善や痛みを防ぐうえでとても大切なポイントです。

事例報告 40代女性 管理職 頭痛

クライアントの方は営業部の管理職として、多忙な日々を送られています。 デスクワークや会議の多さに加え、部下やクライアントとのやり取りなど、心理的にも気を張る場面が多く、心身ともに緊張の多い生活が続いていました。

10年近く定期的に通われており、大きく体調を崩すことはなく、基本的には元気に過ごされています。 しかし、忙しい時期やストレスの多い状況、季節の変わり目などが重なると、時おり頭痛の症状が現れることがあります。

特徴的なのは、仕事で忙しい最中にはそれほど症状が出ず、休日などで体を休めようとした時に頭痛が出てくるという点です。 これは自律神経の働きと深く関係しています。 日常が交感神経優位の状態(緊張・集中モード)にあると、身体は緊張しながらもなんとか動いていられます。 ところが、休みに入って副交感神経が優位になると、今まで抑えていた緊張が一気にゆるみ、その反動として頭痛などの症状が出てくることがあります。

このクライアントの方は、もともと関節が柔らかく、体全体が弛みやすい体質をお持ちです。 体が休みモードに入ると、その弛みの方向性が一気に進みますが、それまで蓄積されていた緊張とのギャップが大きく、頭蓋骨や筋肉がスムーズに緩まないことで頭痛が起こる傾向がみられます。

施術では、蓄積した緊張を丁寧に解放しながらも、過度に弛みすぎないよう全体のバランスを整えることが大切です。 つまり、「リラックスさせる」だけではなく、自律神経の状態や体の弾力性に合わせた適度な刺激の調整が必要になります。

体のよい状態というのは、ボールでたとえるなら「ペチャッとつぶれてもおらず、パンパンに張ってもいない」――そんな、しなやかで弾力のある状態です。 その適度な張力を保つことが、疲労や頭痛を防ぎ、日常を快適に過ごすための鍵になります。

事例報告 60代女性 主婦 膝の痛み

クライアントの女性は、ある時期からしゃがむ動作や膝を曲げると痛みが出るようになり、正座ができない状態になっていました。 整形外科で診てもらったところ、「手術を検討した方がよい」と言われました。しかし、本人は日常生活では普通に歩けており、階段も問題なく上り下りできることから、すぐに手術に踏み切ることには躊躇されていました。

知人の方からの紹介で、当所に来所されました。 身体を診させていただくと、左膝の弾力性は鈍くなっていたものの、同時に左の骨盤や足首にも違和感が見られました。 足首の関節は緩み、グラグラと不安定な状態で、その上部にある膝、さらに骨盤、首や後頭骨にまでしわ寄せがかかっている状態でした。

長年にわたり膝に負荷がかかり続けた根本原因は、実は足の踵にありました。 10年以上前、1メートルほどの段差から落下し、踵の骨を骨折した経験がありました。 痛みはすでに治まっていましたが、足関節のアンバランスが残っており、膝に負荷として最も影響が出てしまったようでした。 動きを確認すると、左腰にも大きな負荷がかかっており、体全体の調整に加え、膝そのものの調整を行いました。

まだ変形性膝関節症のような進行は見られなかったことも幸いでした。 遠方からの来所で月に一度しか施術できなかったため、自宅でできるセルフケアもお伝えし、少しずつ回復をサポートしました。

現在では、手術を勧められたことが不思議に思えるほど、膝はよい状態に戻っています。 ただし、過去の踵の骨折によるアンバランスは、放っておくと他の部位に影響が出やすいため、定期的なケアを続け、良好な状態を維持することが大切です。

事例報告 60代女性 飲食業 肩関節の痛み

クライアントの方は、ある会社の社員食堂で食事を配膳するお仕事をされています。 お昼時には多くのお客さんが来られ、休む間もなくお盆で食事を運び、時には何十枚も重ねたお盆を一度に持つことも日常的に行っていました。

本人は非常に頑張り屋さんで、からだを鍛えるつもりもあったようで、重いものを運ぶことを積極的に行っていたほどです。 しかし、前腕を90度に曲げた状態で長時間重いものを持ち続けることは、体にとって逆効果です。

その結果、腕の筋肉は強く緊張し、肩関節の可動域はほとんど失われ、寝ても覚めても肩の痛みが続くような状態になりました。 痛み止めや注射でもほとんど改善せず、どうにもならない状態で来所されました。 仕事を辞めたり休むことが難しいため、施術で一時的に改善しても、再び負荷がかかる生活により症状が戻ってしまう状況が続きました。

ある時、胸郭全体と肩関節をサポートするサポーターを見つけ、仕事中はそれを使用していただき負荷を軽減しました。 さらに、お盆を運ぶ際には腕だけで持つのではなく、体全体を使って力を分散する動き方もアドバイスしました。

施術は2週間に一度のペースで数か月かかりましたが、ついに「寝ても覚めても痛い」という苦痛から解放され、肩の可動域を広げる段階に移行しました。 以前は洋服を着るだけでも痛みが強く、自分の背中も洗えない状態でしたが、今では日常生活に支障なく動かせるようになりました。

現在は肩を大きくぐるぐる回せるほどではありませんが、日常生活には問題ないレベルまで回復しました。 彼女は野球の大谷選手の大ファンで、今は「ボールをきれいなフォームで投げられるようになりたい」という目標を掲げ、さらに改善を進めています。

事例報告 40代男性 保険会社勤務 肩関節の痛み

クライアントの方は保険会社の事務職で、ほとんどのお仕事の時間をデスクワークで過ごされています。 肩の痛みが強く、整形外科でブロック注射も試みられましたが、痛みはほとんど変わらず、家族の方の紹介で来所されました。 いわゆる「四十肩」、正式には肩関節周囲炎と呼ばれる症状です。

四十肩といっても、その症状の現れ方はさまざまで、ある角度で動かすと痛みが出る場合や、肩関節内部の石灰沈着により痛みが出る場合などがあります。 この方の場合は、肩関節周囲炎の中でも治りにくいタイプでした。 可動域だけの問題であれば、緊張した筋肉をほぐして動きをつけることで改善することもありますが、このケースではそれだけでは十分ではありませんでした。

症状は、朝起きると痛みが強く、仕事中はまだなんとか我慢できる状態でした。 寝てじっとしていても痛みが出る場合、組織がかなり炎症を起こしており、可動域を広げるだけで改善するものではありません。 痛みの奥には冷えた箇所があり、血流の問題や筋肉の弛緩の問題も絡んでいました。 また、過去にサッカーでの怪我があり、股関節にも歪みが残っていました。

施術では体全体のバランスを整えつつ、血液循環を促し、弛緩した筋肉組織に収縮力を取り戻すことを目指しました。 本人も早く改善したいという強い思いから、セルフケアも積極的に行っていただき、想定より早く改善に至りました。

肩関節は上腕骨、鎖骨、肩甲骨の三つの骨からなる関節で、360度回る関節は肩と股関節だけです。多くの筋肉が関わっており、バランスが崩れやすいことも特徴です。 デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることは、四十肩の原因にもなり得ます。 普段から大きく肩を回すなどのケアを行うだけでも、予防につながります。