体のバランスはなぜ大切か

身体の姿勢を形作っているのは、筋肉と骨格、これを運動系と呼びます。
運動系のアンバランスは、多かれ少なかれ誰もがもっているものです。
体のくせなどによって、よく使われる筋肉、働きの少ない筋肉の差が生じると、運動系が局所的に収縮・弛緩した状態がつくられ、体はどちらかに傾斜していきます。そうすると、体のある部位はしわよせを受け、余分な疲労や痛みをもたらします。

運動系が局所的に収縮・弛緩した状態は、血管・リンパ・神経といったものの循環障害を引き起こしやすく、内部器官の機能低下につながります

身体の異常レベル

身体の異常は、一定の順序にしたがって進行してゆくことが分かっています。第一段階では、動きが緩慢になるとか、ぎこちなくなるとかといった動作の異常や、姿勢のアンバランスがあらわれます。そして、神経の興奮や弛緩によって生ずる感覚の異常、ついで内臓諸器官などの機能の異常、ついで本格的な疾病である器質疾患です。器質疾患に至ると、病院の検査でも、あきらかな異常値が検出され、すぐになんらかの治療が開始されることになります。
しかし、その前兆の段階、こりやすい、筋肉・関節の痛み、疲れやすいとか夜寝つけないなど、様々な生活上の不調があるにもかかわらず、その状態を細やかに把握して、適切に対処しようとすることは、ほとんど行われていないのが現状です。均整の調整では、運動系の表れである動作のバランス、可動域、質といったものを観察し、それらを改善していきます。早い段階で体の違和感を感じ取り、回復させることが大切です。